第300回 橘夏生『セルロイドの夜』
雑沓を怖るる象よゆらゆらと影のみ顕たてる夏のサーカス 橘夏生『セルロイドの夜』 歌に詠まれている象は曲馬団で飼われていて、集まった観客の前で芸をする象だろう。しかし雑踏を怖れるようでは、大勢の観客の前に出ることはで...