『吉本隆明の時代』 : 絓 秀実

絓 秀実著 (作品社) 私はかねがね絓秀実を、小林秀雄から始まり、中村光夫、平野謙、吉本隆明、江藤淳、磯田光一、柄谷行人と続いてきた昭和期文芸批評の系譜の最終点に位置する批評家であると考えてきた。西欧文明のもたらす外圧と日本という場が内発的に形づくる磁場とのはざまに...