水を注げ!!

エリヤは崖下から吹き上げてくる潮風に身をゆだねていた。 アレク湾の向こうには弧を描いて水平線が広がっていた。 彼が見つめる先の海と空の狭間は、ゆっくりと夜の幕を閉じた。 すると、幼子の頬を滑るようにして、 昼の女王がしずしずと 沢山の侍女を引き連れて上ってきた。エリヤの顔も服もその光に一瞬包み込まれ、 …