映画『怒り』は“信じること”の困難を描くーー宮崎あおいの慟哭が意味するもの

映画『怒り』は、“慟哭”の映画だ。“慟哭”とは、声をあげて激しく嘆き泣くこと。しかし、その“慟哭”が、決して“怒り”から来るものではないところが、この映画のやっかいなところであり、少なからず誤解を生むところであるように思う。この映画の本質的なテーマは、“怒り”ではない。筆者には、そのように感じられた。…