『源氏物語』を読む1〈桐壺〉〜〈明石〉

紫式部『源氏物語』の感想を書いていきたい。 気忙しい日常の中で生まれるぼんやりとした諦念や寂しさにそっと並走してくれるような長い小説を読みたいと考えたら、自然と本作が頭に浮かんできた。通読するなら今だ。 高校時代の古典の授業などで部分的には知ってはいても、この長大な作品が持つ物語としての奥行きと広が…