悪戯短篇小説「使えない理由」

道ばたに佇む男がいる。男は見たところ何もしていないが何かを待っているような顔だけはしている。その手にステッキを握っているのも、なぜかしら何かを待っているような印象を通行人に与えている。だが男は本当に佇んでいる。男は何も待っていない。純粋に佇んでいる。世界一佇んでいるといってもいいくらいに佇んでいる…