記憶の濃度

記憶の濃度の話をしたい。 ひどく調子の悪かったとき、わたしは文房具の陳列棚の前で立ち尽くしたことがある。何を買うかもあらかた決まっていたのに、そしてそのペンが並んでいる棚の前に立ったのに、「たくさん並んでいるものの中から特定のペンを選ぶ」という行為ができず、急に「わたしはここで何をすればいいんだっけ…