南国土佐のニュー・シネマ・パラダイス

ぼくの生まれた街には小さな映画館があった。 商店街の細い通り沿いの古びた八百屋の二階にそれはあった。 随分と昔のこと。 その八百屋の二階の小さなシアターの座席は、ぼくにとってまだ見知らぬ世界への入り口だった。 高校生だった頃、ここでやってる映画ならとにかく何でも見ていた時期がある。 地方都市の少年は、こ…