はり重のテキ|おっさん画報|菅野完

 祖父は寿司屋の大将であった。寿司屋といっても白木のカウンターがあって、清潔な三和土の上に行儀のいい椅子がならんでいるなんてのを想像してはいけない。全席テーブルで、うどんもあれば中華そばもあり、オムライスも出せば、焼肉定食も出す。客といえば近所の人達であり、駅近くという立地から電車を待つ間に通勤客…