言葉の持つ怖さ。西加奈子『ふくわらい』

西加奈子さんの文庫本新刊『ふくわらい』を読み終わったので、その感想を。 物語の主人公は、鳴木戸定(なるきどさだ)という女性。紀行作家の父を持ち、自身は出版社で編集を務める。趣味は福笑い。 定という名前は、破天荒な父がマルキ・ド・サドから取って付けたもの。 マルキドサド、なるきどさだ。 嘘みたいな設定だ…