「光源氏の一生」を読んで源氏物語の素晴らしさを知ってほしい

     去年の秋、妻のなきがらを焼いたとき、その煙はたかだかと空にのぼっていって、やがて、あとかたもなく消えていきました。その光景を、光源氏は、今もはっきりとおぼえています。そして、さまざまな思い出のこもっているこれらの手紙も、今またすべ