追憶の上の王様

昔昔その昔、指輪をお断りしたことがある。 場所はスキー場のリフトの上だった。 行き場を無くした指輪は送り主の手によって崖下へ投げ捨てられ、白い雪が積もって見えなくなってしまった。 思いがけない出来事の記憶というのは忘れられないもので、風が冷たくなるとあの指輪のことを思い出したりする。 あれはまだ十代の…