読みかけの本となぞりかけの場所

乗っていたバスでうとうとしていた。ここらしくもなく、今日はいつもの身体のまわりをべたつく湿った風が吹いているかわりに涼しい風が吹いていて、セミの声があんまり似合わなかった。目が覚めたら耳の中をイヤホンから流れていった音楽は消えていて、私はどこでバスを降りようか迷った。停留所が近づいて、行きたいとこ…