住吉奇譚集<17>

年配の男性は窓を開けて「暑い暑い!」とぼやいていた。ボクはベッドから起き上がって、窓の方に歩いた。彼はベッドに座ったまま、身を乗り出して窓から顔を突き出していた。ボクも一緒になって窓から顔を出した。三階の窓から住吉の夜の街並みが少しだけ見えた。部屋にはベッドが三つ並んだあったけど、ボクが寝転がって…