酸っぱく甘く苦い愛などー志水辰夫の短編「いまひとたびの」ー

志水辰夫の短編小説集「いまひとたびの」を読んだ。 昨年「行きずりの街」「背いて故郷」という長編小説を読んで面白かった作者の短編集である。いいなあ。実にいい。9編のうち、1編を除いて全ていい。以下ネタばれ。(1)酸っぱく甘く苦い愛 「忘れ水の記」 主人公は、30年以上前の愛の面影を求めて、彼女が女将をして…