さよなら 座敷わらし  「ざしき童子(ぼっこ)のはなし」宮沢賢治 [家と本]

ぼくらの方の、ざしき童子(ぼっこ)のはなしです。 あかるいひるま、みんなが山へはたらきに出て、こどもがふたり、庭であそんでおりました。 家にだれもおりませんでしたから、そこらはしんとしています。 ところが家の、どこかのざしきで、ざわっざわっと箒の音がしたのです。 (中略) たしかにどこかで、ざわっざわっ…