gと烙印/村塾編~【1】応募

その運命的な八百字を望【のぞむ】はどれほどの覚悟を秘めて書いたのか、今となっては不確かだ。 大学三年の終わり、春休み、望は青梅の宿泊施設付の研修センターにいた。二段ベッドが並ぶ八人部屋の一室で仲間たちがとうに眠っているなか、もうすぐ朝があけそうな時間の中、望は机に向かって原稿の最終直しをしていた。手…