自作の小説「祖父の時計 第3話」境界の村シリーズ

やがて、わたしは母に連れられて外に出た。その日は曇っていたが、祖父が燃えている間は、不思議と日が射していた。どんなに雨が降っていても、火葬の間は止むのだと聞いたことがあった。その天の配慮のような現象に心を打たれた。 母は、煙突から立ち上る煙を指差し 「おじいちゃんが天国に昇って行く」 とわたしと姉に言…