自作の小説「ひと吹きの風が語るもの」第5話

第5話 米沢はY高原の偶然にかこつけて電話することは、少しもおかしなことではないと思った。 Y高原のホテルで会って、個人的に言葉もろくにかけずに香山の後ろに突っ立てたことに対する謝罪と、偶然会ったことに対する感慨の言葉を今更ながらにかけるつもりだった。それでも電話器を前に幾分緊張した。とにかく受話器を…