自作の小説「ひと吹きの風が語るもの」第6話

第6話 変な人だなやっぱり、と煙草に火をつけ、煙を吐き出しながら陽一は物思いに耽った。たとえ公のことでもちょっと例外を作って、自分で持っていけばいいものを。 甲斐の営業所と同じような光景があった。がらんとした空間を煌々と照らす蛍光灯。無機質に時を刻むありふれた丸い時計。壁一面を使って張り出された営業…