自作の小説「ひと吹きの風が語るもの」第7話

第7話 米沢にはメールでプレゼントを届けたことだけを報告した。自分だけの思い出にしたかったのかもしれない。せめてこの土日だけは誰にも話さず余韻を噛み締めていたかったのかもしれない。陽一にとってはそういう出来事だった。 その土曜日の夜、バーボンのグラスを脇に置き、プレステのソフトをセットした。ワールド…