連載小説「あの夏の向こうに」第2話

小説と詩の創作と文学エセー 車で坂道を下って行く。山肌にぐるぐるとカーブする道が巻き付いていた。そこを、軽快にハンドルをさばきながら、さしてスピードをゆるめることもなく車を進める。 通勤前のスポーツのようなものだった。普段からがらがらの道であり、まして朝の六時半にはまず車は通っておらず、たとえ曲がり…