連載小説「あの夏の向こうに」第5話  by古荘

小説と詩の創作と文学エセー やっぱり変人で、嫌な仕事だと柏木は思った。今日もはぐらされたばかりか、嫌だと言うのを、無理矢理にでも払ってやろうというのに、皮肉まで言われた。この老人の保険契約は、ずっと昔にやめた職員が前妻の方と話しをつけて決めたので、おそらく本人と直接交渉していれば、保険など入らなかっ…