連載小説「あの夏の向こうに」第6話  by古荘

小説と詩の創作と文学エセー やがて、大きな信号音がピーっと鳴る。それに続いて、印字の音さえ大きく感じながら、打ち出されつつある文字を凝視する。 人事異動発令 これで皆一気に静かになる。柏木の緊張もピークに達する。話し声はなくなり、次の文字を見ようとするまなざしの群れがある。 S支社 氏名 役職 新所属 畑…