連載小説「あの夏の向こうに」第12話  by古荘 英雄 -

あの兄弟は、山が好きで二人で夏山、冬山問わず登っていた、西野はまた思い出す。長くて二泊三日で帰って来るような軽いものが多かった。学生のころは兄の方は、本格的にあちこち登ったらしいが、卒業してからは、素人の弟を連れて、気晴らし程度の散歩代わりといった風だった。 あの年の夏、西野は玲子とのことを宮津に話…