【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作
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連載小説「あの夏の向こうに」最終回 第14話 by古荘 英雄
この海は三年間いつも意識の脇にあった。夕日を浴びて、真っ赤になった海と空が、柏木の胸に迫った。 麻美の家に自分の知らない女がいて、自分は特別な使者として会うのだと思うと、何だか得意げな気持ちになった。 さきほどの、主任からの思いがけないキスに後押しされた、上機嫌も力を与えた。 麻美の家に向かう道すがら…