藤野裕子さんの「民衆暴力-一揆・暴動・虐殺の日本近代」を読んで

本書は、明治新政府対する新政反対一揆、自由民権運動と連動する形で起きた秩父事件、日清・日露の両戦役を通じた増税や戦死、厭戦気分の元で警察権力に向けられた日比谷焼き討ち事件、関東大震災時の朝鮮人虐殺事件という4つの出来事を軸として、日本近代の一面を描く。権力の横暴に対する必至の抵抗か、それとも鬱屈を他…