杉本純の創作の部屋
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似顔絵師(3)
やさしい秋の風に細い髪をなびかせ、清次は昭男にボールを投げる。「少し前の暑さが、嘘みたいだよな」 と、唐突に言う。もはや十一月である。この夏はとんでもない暑さが続いたが、過ぎてみればあっという間のことだったようにも感じる。 今日の引き継ぎは住宅街の中の小さなスーパーだったが、そこでは清次は惜しまれも…