ベートーヴェンと写譜師 その2 - 映画に 乾杯! / 知の彷徨者(さまよいびと)

続き。さて、19世紀になると、楽譜出版や予約演奏会の市場は、富裕貴族や大商人階層から、より下の階層(都市の専門職層、事務職員、軍人、企業家などの家庭)に拡大していった。とりわけ、楽譜については、家族や親密な友人たちと室内楽の合奏を自ら楽しむ富裕市民層が新たな買い手として登場する。もちろん、貴族や富裕…