畏怖。

私が畏怖の念を抱いたのは、高橋尚子選手に対してである。00年9月のシドニーオリンピックでではなく、98年12月のバンコクのアジア大会でのことである。午前に行われたのだが、コースのアスファルトから陽炎が揺れているほど暑かった。そんな環境だったら記録より勝利を追求するのが本筋。ところが高橋尚子選手は当時の世界…