もう一つの鉄道員 ~影で「安全輸送」を支えた地上勤務の鉄道員~ 第一章・その1「少年と鉄道の数奇な出会い」

◆少年と鉄道の数奇な出会い 私は1972年に川崎市で生まれた。 父は設備関連の職人で、母は専業主婦。家は小さな風呂なしのアパート暮らしと、当時でもあまり裕福な家ではなかった。父は私が産まれたのを機に、それまで勤めていた会社を辞めて職人の世界へと入ったようだが、経済面では何かと苦労があったようだ。 今で…