道ある御世のめでたし

千駄ヶ谷の駅を出ると、落ち葉が雨に濡れて鮮やかだった。 まるで錦絵のように飾られた、きらびやかな道を、写真を撮りながら、てくてくと歩く。 国立能楽堂。 その中庭の落ち葉は、苔の緑に映えて、なお美しい。 ここの舞台に来るのは何年振りか。前回来たのがいつか、もう思い出せないくらい前だ。あの時は確か、南原さ…