青春小説に潜む元兵士の叫び サリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」|好書好日

桜庭一樹が読む 「ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ」 一九五一年、第二次世界大戦を経て、高度経済成長の只中(ただなか)にあるアメリカで、本書は刊行された。“モラトリアムな若者の永遠のバイブル”として、いまなお...