「ザリガニの鳴くところ」書評 作家・柴崎友香さん 一人の少女のサバイバル、読書で体感する意味|好書好日
アメリカ南東部の湿地を貫く高速道路を走るバスに乗ったことがある。どこまでも続く水と森が入り交じった広大な場所に、人間が作ってきた町とは違う時間や営みがあることは、外から見ただけでも身に迫ってきた。 その湿地の奥で一人で生きてきた少女...