【書評】知ってほしい。社会にはこういう人々が存在することを。『ケーキの切れない非行少年たち』

著者である児童精神科医師が医療少年院で見た光景は衝撃的なものだった。ケーキを等分に切れない少年、「自分はやさしい」と言う殺人少年、そもそも反省すらできない少年。そんな通常では理解できないような非行少年たちの現実だった。 これは他人事ではない。人口の十数%(35人のクラスに5人の割合)はいるとされるIQ70〜85…