【書評】生きることからなにを期待するかではなく、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題だ。本当の自由とは何か。『夜と霧』

著者は悪名高いアウシュビッツとその支所に収容されるが、想像も及ばぬ苛酷な環境を生き抜き、ついに解放される。家族は収容所で命を落とし、たった1人残されての生還だった。 著者は学者として、極限におかれた人々の心理状態を分析する。なぜ監督官たちは人間を虫けらのように扱って平気でいられるのか、被収容者たちは…