セピア色の傘立て 008『虹色ゴシップ』

春の大型連休も終わり、坂道だらけのこの街にも若葉の香る空気が流れ込むようになった。瑞々しい五月の風が落ち込み気味だった私を勇気づけてくれる。そんな心地がある。正直、今年の桜の匂いは鬱陶しいほどに苦手だったから、ようやく季節が春らしく思えてきたんだ。「わたしたちのダンス、やっと様になってきたんじゃな…