流れ降る星の雨音 〜燐〜 001『シュレディンガーの猫の鳴き声』

そもそも僕はどうして横浜にいたのだろう? 帰りの東海道線でなんとか思い出そうと試みるも、どうしても思い出せなかったんだ。何かがふわっと浮かんできて、またすぐにすっと消える感じ。それが二十分くらい繰り返されたところで、気づくと電車は自宅の最寄り駅である藤沢駅へと到着していた。「ねぇ見て。この服かわいい…