【としまえん恋愛エッセイ】季節を知る

夏、夏ね。きっと「夏」というのは、幼いときにだけ訪れるもので、年を取ってからは「暑さ」だけが残る。そういうものだと思っていた。 ● 絵に描いたような「夏」の日を覚えている。 受験勉強に明け暮れる高校3年生、8月の半ば。少し汚れた布財布に、お小遣いとありったけの期待を詰め込んで、としまえんへと駆け出した…