雨月物語〜溝口健二の蜃気楼

女の情念を通して、男と女を描く。 源十郎を堕として呪い殺そうとする死霊。 命を賭しても我が子を守る母。 犯されて女郎になっても生まれ直す女房。 女は「雨」のごとく濡れ、美しさは儚い。 男は「月」と同じく女という太陽がなければ輝けない。 月が最も輝く満月はゼロの形をしており、男は何かを失ってこそ輝く。 溝口…