『麻希のいる世界』行き過ぎた感情を「映画の疼き」として記録に残す|CINEMORE(シネモア)

塩田明彦監督『麻希のいる世界』は、青野由希の迷いのある足取りから始まる。本当にここから離れてしまっていいのか自問しているかのような少女の足取り。やがて小屋から出てきた少女を発見した由希の足取りからは一切の迷いが消えていく。たった一度のアイコンタクトによる、ほとんど暴力的としかいいようのない情念の噴…