『TAR/ター』憧憬と嫌悪の危険な力学|CINEMORE(シネモア)

はじめにケイト・ブランシェットありき。トッド・フィールドはカリスマ指揮者リディア・ター役をケイト・ブランシェットへのあてがきとしている。『TAR/ター』(22)はケイト・ブランシェットという俳優に期待されるカリスマ的なイメージの上を歩きながら、ゆっくりとそのイメージを解体させていく。リディアはオーディエ…