十二年目の結界暴き

0.  田舎道を迷い、ようやく目的の住所に着いたころには、月明かりにすっかり目が慣れていた。  建物のわきに白ペンキで丁寧に塗られた看板が立ち、真ん中に黒い手書きの太文字で「診療...