『父 安岡正篤を語る』 P81 結局姉は四十九歳で父母より先に逝ってしまいましたが、姉の訃報の入った真夜中に父母の部屋へ行ってみますと、父はお仏壇の前に坐って声をださずにお経本を読んで居りました。父とその後に坐った母と二人の目からとめどなく流れていた涙を私は忘れることが出来ません。 姉が亡くなった後暫くの…