待ちぼうける陽水——井上陽水『氷の世界』について(後編)

道は光ばかり胸の影を誰が知る(平沢進 - 空転G) ※前編 daisippai.hatenablog.com 〈夜〉=執行猶予 前編では、『氷の世界』が、常にある踏切=境界=「断絶」のイメージで貫かれていること、その彼岸と此岸のどっちつかずの緊張感において井上陽水は「待ちぼうけ」ていることを記述した。けれどもここからは、いささか例…