【現代詩】「響 砂 島」 古代の魚と石英の砂の海のイメージ 現代詩の試み

響 砂 島 遠く とおく きぃん きぃん と響く 静かな寝息をたてる 幻の白い女に似た 生まれたばかりの 光る深海魚 月からこぼれる光る砂に 赤犬は肩まで埋まって 頭に降りかかる砂を 耐えている 赤犬は 生まれる前の 意識がまだ 器官をかたちづくることを知らない 吃り 怯える目の先に なにかある 破断面の拡がる波の下で …