【現代詩】「砂/川」 今はもう無くなってしまった場所へのノスタルジー 現代詩の試み

砂/川 帰れ と言う 薄い布団に 乾いた指を重ねて 窓でカーテンが揺れ あの日、僕/祖母を置き去りにした 祖母/僕は 病室の 重すぎるドアを閉め 一段一段が高すぎる階段を 飛び降りるように 外へ出ると 短い影が 鍵を、 と囁く 振り返ると 古く低い家の窓 湿った仏間に横たわる 影が先に動き ゆっくりと 白い目を開く 僕…