【現代詩】「風 鼓 祭」 北国の冬の、重たい雪と冷夏の風が練り合わさるイメージ 現代詩の試み

風 鼓 祭 家が 鳴る 深夜 低い唸りが 聞こえる それは 電線が 荒れる風を 切り裂く音 厚く 濃密に吹き荒れる 風は 大気から大粒の雨をしぼりだし 弱い生き物の 隠れ家に 叩きつける その風が 細い しなやかな線で 切り裂かれ うめく 線は するすると延びる 暗い 雨の種と 滑る 大気の中を 遠くで鳴る こん こん という微か…