バレエのレッスンが終わった夜のこと

帰宅すると、22時をとうに過ぎていた。 床に座り込んだ私は立ち上がる気力も失って、自分の足先を眺めた。 テーピングを剥がす手が震え、中指の爪を見るとゾワリと鳥肌が立つ。 爪が横に裂けて、上側が指から離れそうになっている。 テーピングと絆創膏まみれの自分の指先を改めて見て、涙が出てくる。 膿んだり、出血した…