警察手帳を見せられても本物かどうか見分ける術がなくて捜査に協力できない

『警視庁の者ですが』 そう言って男は、警察手帳を開いて見せてきた。 『ご協力頂きたいことがありまして…』 思わず顔を見上げるくらいには、背の高い男だった。 年は私と同じくらいか、少し若いくらいかも知れない。最近流行りの俳優みたいな顔をしている。 このカウンターで警察手帳を提示されるのは一体何度目だろう。…